日々の暮らしを彩り、食卓に温もりを添えてくれる「うつわ」。
作家のこだわりが詰まった現代の作品から、何百年もの歴史を越えて愛されてきた古美術まで、やきものの世界は奥深い魅力に満ちています。
今回は、2026年6月以降に、関東(東京・神奈川・茨城・栃木)で開催される注目のうつわ(陶磁器・漆器・ガラス)の展覧会・イベントを、開催順にご紹介します。
日常を少し特別にしてくれるお気に入りのうつわや、時代を越えて人々を魅了する珠玉の名品に会いに出かけてみませんか?
関東で開催される「うつわ」の展覧会・イベント8選
1.時代を超えた珠玉のやきもの(五島美術館)

世田谷の上野毛にある五島美術館では、日本・中国・朝鮮の最高峰のやきものを集めたコレクション展が開催されています。
精緻で優美な中国の青磁や青花・五彩をはじめ、茶の湯の美意識に適った朝鮮時代や桃山時代の茶陶など、同館が誇る名品約80点を一挙に展観。
重要文化財の作品もあり、時代や国境を越えて受け継がれてきた名品を目の前で観察することができます。
また、五島美術館は、広大な庭園と建築も必見です。
緑豊かな庭園の散策と合わせて、贅沢な古美術鑑賞のひとときを楽しんでみませんか。
開催期間:2026年5月23日(土)~ 7月20日(月・祝)10:00~17:00
会場:五島美術館(東京都世田谷区上野毛3-9-25)
休館日:月曜日 ※7/20は開館
公式HP:https://www.gotoh-museum.or.jp/
2.環境陶芸の地平 藤原郁三展(益子陶芸美術館)

うつわの街として名高い栃木県益子町にある益子陶芸美術館では、環境陶芸の第一人者である藤原郁三(ふじわら いくぞう)の展覧会を開催。
日常使いの器の枠を超え、建築や都市空間、自然環境と調和する「大きなやきもの(環境陶芸)」の世界を切り開いてきた作家の軌跡をたどります。
藤原は、成田空港をはじめさまざまな場所で「陶壁(とうへき)」を手がけ、その数は全国で700箇所にのぼります。
土という素材が持つダイナミックな生命感や、空間を包み込むような圧倒的な存在感を放つ作品の数々は、陶芸の新しい可能性を教えてくれます。
初夏から夏にかけての益子ののどかな街並み散策も楽しみに、ぜひ足を運んでみてください。
開催期間:2026年6月7日(日)~ 8月23日(日)9:30~17:00
会場:益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子( 栃木県芳賀郡益子町大字益子3021)
休館日:月曜日
公式HP:http://mashiko-museum.jp/
3.金銀雲母きら ―かがやきの日本美術―(岡田美術館)

箱根の豊かな自然に囲まれた岡田美術館では、日本のアートにおける「きらめき」をテーマにした展覧会が開催されています。
タイトルにある通り、金や銀、そして「雲母(きら)」を用いた華やかな日本美術が展示されます。
また、絵画のほか、蒔絵(まきえ)をはじめとする豪華絢爛な漆器や、光を受けて上品に輝く陶磁器など、職人たちの精緻な技が光るうつわや工芸品も見どころの一つです。

さらに、この美術館は展示品の数が多く、常設展示でもさまざまな焼き物や漆器を見ることができるのも魅力です。
温泉街へのドライブや旅行と合わせて、贅沢なアート鑑賞を組み込んでみてはいかがでしょうか。
期間が長いので、夏休みや紅葉狩りなど好きなタイミングで訪れるのもいいですね。
開催期間:2026年6月14日(日)~ 12月6日(日)9:00~17:00
会場:岡田美術館(神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1)
休館日:会期中無休
公式HP:https://www.okada-museum.com/
4.五窯響宴 宋から元までの中国陶磁(松岡美術館)

白金台の松岡美術館では、多様な文化や芸術が花開いた宋時代から、モンゴル民族が統治した元時代までのおよそ400年間に焦点を当てた展覧会が行われます。
洗練された定窯(ていよう)の白磁、多彩な装飾技法が光る磁州窯(じしゅうよう)、翠青色が美しい龍泉窯(りゅうせんよう)の青磁、幻想的な趣のある鈞窯(きんよう)の澱青釉(でんせいゆう)、精度高く複雑な文様を描いた景徳鎮窯(けいとくchinよう)の青花など、時代を代表する五つの窯のやきものが館蔵の名品で紹介されます。
当時の人々も魅了されたであろう神秘的な艶や、さまざまな装飾技法に触れることができますよ。
開催期間:2026年6月16日(火)~ 10月12日(月・祝)10:00~17:00
会場:松岡美術館(東京都港区白金台5-12-6)
休館日:月曜日 ※月曜日が祝日の場合は開館、翌日休館
公式HP:https://www.matsuoka-museum.jp/
5.酒がおいしい古伊万里展(戸栗美術館)

渋谷・松濤にある伊万里焼・鍋島焼専門の戸栗美術館では、お酒と器の関係にスポットを当てた粋な展覧会が開催されます。
神事から日常の憩いまで、人々の生活に寄り添ってきたお酒。
本展では、お酒を運ぶ「瓶」、注ぐための「銚子」、そして口にするための「杯」や「猪口」など、江戸時代に実用品として流通した伊万里焼のなかから、酒にまつわる器約80点が一堂に会します。
当時の酒文化を伝える絵画や文献の史料パネルとともに、お酒をよりおいしく楽しめそうな器の魅力をじっくり堪能できる、うつわ・お酒好き必見の展示です。
鑑賞後は、酒器が欲しくなってしまうかもしれませんね。
開催期間:2026年7月3日(金)~ 9月21日(月・祝)10:00~17:00
ただし、毎週金曜日・土曜日 10:00~20:00
会場:戸栗美術館(東京都渋谷区松濤1-11-3)
休館日:月曜日、火曜日 ※7/20、8/11、9/21は開館
公式HP:https://www.toguri-museum.or.jp/
6.ルーシー・リー展 ―東西をつなぐ優美のうつわ―(東京都庭園美術館)

20世紀を代表する世界的な女性陶芸家、ルーシー・リーの大規模な展覧会が東京都庭園美術館で開催されます。
ウィーンで生まれ、後にロンドンを拠点に活躍した彼女の作品は、伝統的な陶芸の枠にとらわれないモダンで洗練されたシルエットが特徴です。
トレードマークとも言える、器の表面に細い線を刻む「線刻(せんこく)」や、釉薬が生み出す独特の鮮やかな色彩は、今なお世界中のうつわファンを魅了し続けています。
アール・デコ様式の美しい建築で知られる庭園美術館の空間と、彼女の優美なうつわの組み合わせも見どころです。
私事ですが、ルーシー・リーの作品を見るのは、10年以上前の国立新美術館の展覧会以来なので、今から楽しみです。
このイベントは、日時指定の予約制です。事前にチケットを購入してお出かけください。
開催期間:2026年7月4日(土)~ 9月13日(日)10:00~18:00
会場:東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)
休館日:月曜日
公式HP:https://www.teien-art-museum.ne.jp/
7.眼のごちそう 食器(サントリー美術館)

六本木のサントリー美術館では、「食器」そのものの美にスポットを当てたユニークな展覧会が開催されます。
普段は料理を引き立てる脇役になりがちな器ですが、本展では「眼で味わうごちそう」として主役に据えられます。
日本の伝統的な陶磁器や漆器、涼やかなガラス器、海外から渡ってきた美しい意匠の器など、時代や地域を超えたバラエティ豊かな食器が集結。
さまざまな絵柄や形状のうつわを見て、柄の意味などを知ることで、日本人の美意識や職人の技術の高さなどを再認識できます。季節によるうつわ使い、うつわの色合わせなど、ふだんの暮らしに役立つヒントが見つかるかもしれませんよ。
開催期間:2026年7月8日(水)~ 8月30日(日)10:00~18:00 金曜は20:00まで開館
会場:サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階)
休館日:火曜日
公式HP:https://www.suntory.co.jp/sma/
8.ガレの陶芸Ⅱ 奇想と幻想の造形世界(茨城県陶芸美術館)

ガラス工芸の巨匠として世界的に有名なエミール・ガレですが、実は「陶芸」の分野でも非常に独創的で素晴らしい作品を数多く残しています。
茨城県陶芸美術館では、そんなガレの知られざる陶芸作品に焦点当てた展覧会が開催されます。
植物や昆虫など自然の営みからインスピレーションを得た、ガレらしい「奇想と幻想」に満ちた生き生きとした造形や、鮮やかな色彩のグラデーションは必見です。
ガラスとは一味違う、土という素材を使ったガレの表現力のすごさを目の当たりにしてみませんか。
開催期間:2026年7月11日(土)~ 9月23日(水・祝)
会場:茨城県陶芸美術館(茨城県笠間市笠間2345)
休館日:月曜日
公式HP:http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/
お出かけ前のワンポイントアドバイス
「ハシゴ」で楽しむうつわ巡り
例えば、本日より開幕する白金台の「松岡美術館」と、7/4から始まる目黒エリアの「東京都庭園美術館」は目と鼻の先。
7月に入ってから、この2つのエリアを合わせてハシゴするのもおすすめです。
どちらも緑豊かな美しい環境にあり、大人の休日散歩にぴったりです。
開館時間を事前にチェック!
「サントリー美術館」は金曜日、「戸栗美術館」は、金曜・土曜の2日間20時まで営業しています。
イベントによりますが、昼間より空いているので、お仕事帰りなど、スケジュールに合わせて賢くアートを楽しめますよ。
日常使いの親しみやすいうつわから、何百年も前に作られた至高の名陶まで、それぞれの美術館で異なる「うつわの美」に出会うことができます。
ぜひ、週末や休日のお出かけの参考にしてくださいね!

