こんにちは。御縁座・編集部スタッフです!
今回は、現在開催中の「眼のごちそう 食器」(サントリー美術館)の鑑賞レポートをお届けします。
サントリー美術館では、うつわに関連する展覧会をときどき開催しています。
今回の展覧会もうつわ好きとしては、外せないと思い、前売券を購入し足を運びました。
この展覧会では、約400年前の江戸時代以降の人々の暮らしと美意識を、うつわを通して感じることができます。
また、展示されているうつわがどれも魅力的。
動植物をモチーフにしたユニークな形や繊細な絵付けのうつわは、数百年前のものとは思えないほど斬新で、「こんなうつわがあったら欲しい」と思えるようなものもありました。
古くて新しい、多彩なデザインの和食器の数々は、うつわに興味がない方でも楽しめるのではないでしょうか。
この記事では、実際に足を運んだスタッフ目線で、展覧会の魅力をお伝えします。
「眼のごちそう 食器」展について

【展覧会概要】
展覧会名:「眼のごちそう 食器」
会期: 2026年7月8日(水)~8月30日(日) ※会期中に展示替えあり
会場: サントリー美術館(東京ミッドタウン ガレリア 3F)
開館時間: 10:00~18:00(金曜日は20:00まで、入館は閉館30分前まで)
休館日: 火曜日(8月11日は18:00まで開館)
入館料: 一般 1,700円(1,500円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
公式URL :https://www.suntory.co.jp/sma/
*展覧会に合わせてイベントもあります。事前申し込みが必要なので、確認してから参加しましょう。
館内には、「ワクワクシート」が置いてあり、小学生のお子さんもクイズ形式で楽しめる工夫があります。
また、ミュージアムショップには、鍋島焼のうつわをモチーフにした「ぬり絵」など限定グッズも販売しています。
展覧会の見どころ
文様に込められた思いを知る

会場に並ぶ数々のうつわを眺めていると、当時の食卓が単なる食事の場ではなく、会話を楽しむ「もてなしの場」でもあったことが強く伝わってきます。
中でも興味深いのは、うつわの文様や形に込められた細やかな「メッセージ」の数々です。
例えば、鳳凰(ほうおう)や牡丹、蓮といった縁起の良い「吉祥柄」を多用したうつわからは、食卓を通じてお祝いの気持ちや福を招こうとする人々の願いなどを感じます。
また、八角形のうつわは、「八方来儀(あらゆる方向から幸運がやってくる)」という意味があるそう。
「八」は、現在でも末広がりの意味があり、古来より縁起が良い数字とされていたのを実感しました。
さらには、うつわによく見られる「ざくろ」の絵柄は、身が詰まっていることから、「子宝」や「子孫繁栄」の意味があり、家族や招かれた客への祝福が表れています。
私が特に面白いと思ったのは、二股大根が描かれたお皿。
二股大根は大黒天への供え物であったため、縁起物のモチーフなのだそう。
うつわのさまざまな柄を見るだけで、当時の人々の思いや暮らしを垣間見ることもできました。
食を楽しむための器づかいを知る

展示全般を通して、うつわと食文化の深いつながりも再発見できました。
興味深かったのは、言葉遊びや文化的背景を取り入れた表現です。
「燕(つばめ)」の文様は「宴」と音が通じることから、宴席にふさわしい器として用いられました。
また、本来は筆巻きとして使われていたガラスのすだれを料理の盛り付けに応用するなど、用途にとらわれない自由な発想も見どころのひとつです。
さらに、異国とのつながりを感じさせる展示も見逃せません。
明代の中国・景徳鎮で日本向けに作られた「祥瑞(しょんずい)」のうつわは、海外の技術と日本の美意識が表れています。当時の人々が新しいものを柔軟に受け入れ、自分たちの暮らしの中で楽しんでいた様子が伝わってきました。
館内を「この柄の意味は何だろう」
「この変わった形のうつわには、何を盛り付けていたのかな」。
などと、考えながら見ることで、100以上の展示品を一気に鑑賞してしまいました。
うつわって楽しい:多彩なうつわからさまざまなことが学べる展覧会でした
現代の私たちは、つい機能性や利便性ばかりを追い求めてしまいがちです。
うつわを選ぶ際も、食洗機が使えるかなど、実用性を優先することもあるのではないでしょうか。
しかし、約400年前の人々がうつわをコミュニケーションツールとして、活用していたことを知り、自分の暮らしにも取り入れたくなりました。
皆さんもぜひ、自分の食卓に「こんなうつわがあったら楽しいかも」、「たまにはこんなうつわを使ってみよう」など、展示品を見ながら、自分なりの「眼のごちそう」を想像してみてはいかがでしょうか。
うつわを理解することは、食文化や伝統工芸品をを知ることにもつながります。
この展覧会を機に、うつわだけでなくさまざまな分野に興味の幅を広げる方が増えればと感じました。
会期中には展示替えも予定されています。
異なるうつわに出会うため、2回足を運ぶのもいいですよ。

