埼玉「いも街道」を歩く旅|ノスタルジックな風景と、心温まるサツマイモに出会う
埼玉県入間郡三芳町。
東京から車でわずか1時間ほどの場所に、江戸時代から続く歴史と、日本の原風景が色濃く残る場所があります。

秋風が心地よく吹き抜ける頃、この地は「富の川越いも」を求める人々で賑わい、県道56号線沿いには、通称「いも街道」と呼ばれる道が続きます。
この記事では、さまざまな農園のサツマイモを楽しみながら「いも街道」をめぐる旅についてレポートします。
「いも街道」を巡る、歴史と味の散策
三芳町のサツマイモ栽培は、今から約320年前、川越藩主・柳沢吉保公による新田開発に始まります。
当時の「武蔵野の落ち葉堆肥農法」が今も受け継がれ、2017年には「日本農業遺産」にも認定されました。
街道沿いには、当時の面影を残す短冊状の畑が広がり、歩くだけで歴史の息吹を感じることができます。

街道の各農園では、収穫されたばかりのサツマイモの直売や、加工品の販売が行われており、それぞれの農家さんの個性とこだわりが光ります。
道中には、大きなケヤキ並木が続き、この地ならではの風景が魅力です。
今回の散歩では、個性豊かな二つの農園を訪ねました。
それぞれの農園で出会った方々との温かい交流は、サツマイモの新たな魅力を教えてくれました。
いも街道には、こちらもご覧下さいね!
★https://www.town.saitama-miyoshi.lg.jp/kanko/meisan/meisanhin/kawagoeimo.html
高橋農園 ― 11代続く誇り高きサツマイモ農家

まず訪れたのは、創業から11代続く老舗農家「高橋農園」です。
園主の高橋敦士さんは、JA埼玉県青年部協議会の委員長も務める、若手農業者のリーダー。
彼は、320年の歴史を持つ「富の川越芋」の伝統を守りながらも、常に新しい挑戦を続けています。
高橋農園のこだわりは、定番から希少品種まで、実に12品種ものサツマイモを手掛けていること。
特に、栽培が難しいとされる地域特産の「紅赤」を大切に育て、次世代に繋いでいます。
「べにはるか」一辺倒になりがちな現代の農業に警鐘を鳴らし、多様な品種と栽培技術を守り抜こうとする、彼の強い信念に胸を打たれます。
サツマイモは「放っておいても育つ」と思われがちですが、決してそうではありません。
高橋さんの話を伺うと、肥料設計から貯蔵まで、いかに膨大な手間と繊細な技術が求められることが分かります。
高橋農園は、伝統的な知恵に加えて、最新の農業技術も導入することで、一年を通じて質の高いサツマイモを届けています。
皆さんもぜひ味わってください。シーズンには直売もしていますよ。
【高橋農園】
住所:埼玉県入間郡三芳町上富206
営業時間:10:00〜17:00
定休日:なし
公式HP:https://kawagoeimo.thebase.in/
はやし園 ― 「ピカいち」を目指す革新の農園

次に足を運んだのは、「いも街道」の一番南端に位置する「はやし園」。
江戸時代から続くこの農園は、観光農園や農園レストランといった革新的な取り組みで、地域全体を活性化する役割を担っています。
「ピカいち」という言葉には、「上富の農業が全国で一番輝き、それにつれてはやし園も独自の光を放つように」という、12代目・伊佐雄氏の熱い想いが込められています。
その想いは、現在のオーナーである長男の林将嗣氏にしっかりと受け継がれています。
はやし園の魅力は、何といっても「イモ掘り体験」。
シーズン中には約2万人もの人々が訪れ、子供から大人まで、笑顔でサツマイモ掘りを楽しむ姿が見られます。

さらに驚きなのが、農園レストラン「伊左衛門」の存在です。
本場ナポリで修業を積んだ次男の紘之氏が、地元産のサツマイモや野菜を使った本格的なイタリアンを提供。
レストランの窓から広がる美しいサツマイモ畑を眺めながら味わう、オリジナルのピッツァは格別です。
【はやし園】
住所:埼玉県入間郡三芳町上富1003
営業日: 火曜日~日曜日 10時~18時
定休日: 月曜日 *月曜日が祝日の場合は火曜日が休み
※10名様以上の団体は予約が必要
公式HP:https://www.kawagoe-imo.com/
■農園レストラン伊左衛門について
住所:埼玉県入間郡三芳町上富1003
営業時間
・ランチタイム 11:30~14:30 (ラストオーダー14:00)
・ディナータイム 平日、店休日前 18時〜21時 l.o 20時30分
金、土、祝日 18時〜21時30分 l.o 21時
定休日:不定休・年末年始休み12 / 30~1 / 4
公式HP:https://izaemon1694.com/concept/
さあ、あなたも「いも街道」へ:サツマイモのイメージが変わる、心温まる旅に行こう
三芳町の「いも街道」を歩く旅は、単に美味しいサツマイモを味わうだけでなく、日本の農業の歴史と、それを受け継ぐ人々の情熱に触れる貴重な時間でした。
伝統を守りながらも、新しい感性で挑戦し続ける彼らの姿は、私たちに多くの感動を与えてくれます。
今回巡った農園以外にも、魅力的な農園がたくさんあります。
また次回、ゆっくりと訪れて、それぞれの物語に触れ、美味しいお芋を味わってみたいと思います。
あなたも、秋風が心地よい季節に、三芳町の「いも街道」を訪れ、心温まるサツマイモの物語に触れてみてはいかがでしょうか。
きっと、これまで持っていたサツマイモのイメージが変わりますよ。

