風情あふれる“うつわの街”へ! 多治見・本町オリベストリート散策記
岐阜県南部に位置する多治見市。
ここは、日本有数のやきもの産地として知られる「美濃焼」の中心地です。

美濃焼の歴史は古く、桃山時代には茶の湯の世界で新たな美意識を確立した緑色の釉薬が特徴の「織部」が生まれました。
その精神を受け継ぐ多治見には、古い街並みと新しい文化が融合した魅力的なスポットが点在しています。
今回は、そんな多治見市の中心部にある「本町オリベストリート」を訪れた様子をレポートします。
本町オリベストリートはかつて陶器の問屋街として栄えたエリア。
約400メートルにわたる通りには、昭和初期の古い商家や蔵をリノベーションした個性豊かなショップや飲食店が軒を連ねています。
新旧が織りなす独特な雰囲気が、街歩きの楽しさを一層引き立ててくれます。
美濃焼やうつわ全般が好きな方はもちろん、古い街並み散策を楽しみたい方はぜひ参考にしてください。
多治見の歴史とアートが息づく街角
多治見駅から歩いてすぐの場所に、本町オリベストリートの玄関口ともいえる「陶都創造館」があります。

ここは、多治見市の観光情報センターや、地元の若手陶芸作家の作品を展示するギャラリー、さらには美濃焼の歴史を学べる博物館が一体となった複合施設です。
うつわのお買い物から鑑賞、休憩もできるので、散策の後半などに立ち寄るのがいいかも。
時間があれば、上絵付け体験工房で自分だけのオリジナル作品を作ることもできます。
陶都創造館
住所:岐阜県多治見市本町5-9-1
営業時間:10:00~18:00
定休日:年末年始・一部店舗は水曜定休
公式HP:https://www.toutokan.jp/
こだわりのショップを巡る、心ときめくうつわ探しの旅
本町オリベストリートの醍醐味は、なんといっても多種多様なうつわ店を巡ること。
それぞれのお店が独自のセレクトや世界観を持っており、一歩足を踏み入れるごとに新しい発見があります。
以下、私が回った順番に紹介しますね。
IRISE antique

まず立ち寄ったのは、古民家を改装したアンティークショップ「IRISE antique」です。
フランスのアンティークプレートから日本のデッドストック品まで、うつわ以外にも焼菓子や雑貨が並び、お店の方のセンスが光るディスプレイに心惹かれました。
旅の記念に購入した将棋の駒柄の小皿は、今でも見るたびにこの日の思い出が蘇ります。
■公式HP:https://www.instagram.com/irise_antique/
古民家Koya Koya

明治20年の2階建ての古民家を活用した商業施設。
中には、タイルと陶器のアクセサリーのお店、美濃焼のお店、昭和レトロな雑貨を扱うお店やカフェがあります。

中庭もあり、天気が良ければコーヒーなどを楽しむのも良さそうです。

■紹介HP:https://www.oribe-street.com/koyakoya-1/
ハナタロウ商店

続いて訪れたのは、築100年の古民家を利用した「ハナタロウ商店」。
生活工芸品を扱うお店ですが、マグカップの品ぞろえがとても充実しており、一つひとつ異なるデザインに時間を忘れて見入ってしまいました。
また、不定期で暮らしに根ざしたワークショップを開催しているそう。
気になる方はチェックしてみては。
■公式HP:https://munyamunya.base.shop/
老舗から新施設まで、多治見の“今”を感じる
やままつ

本町オリベストリートには、歴史ある老舗店も健在。
明治時代から続く美濃焼の卸売業が営む小売店「やままつ」は、普段使いしやすい手頃な価格のうつわが所狭しと並び、宝探しのような気分で買い物が楽しめます。
店外には、お得な日常食器が並び、つい足を止めてしまいます。

■公式Instagram:https://www.instagram.com/minoyaki.yamamaz/
THE GROUND MINO

一方、通りには新しいお店や施設も続々誕生しています。
複合施設「THE GROUND MINO」は、東京・恵比寿にもあるうつわ店「at kiln」のほか、ギャラリーや飲食店、陶芸スタジオなどが集まる注目のスポットです。

ここで行われている、使わなくなったうつわをリサイクルする取り組みは、環境への配慮とクリエイティブな発想が融合した、多治見らしい試みだと感銘を受けました。
全国的に広がって欲しい取り組みですね。

■公式HP:https://theground.jp/
ギャラリーのような空間で美濃焼を堪能
織部うつわ邸

最後に立ち寄ったのは、旧商家を改装した「織部うつわ邸」。
旅館のような趣ある外観ですが、中はまるで美術館のよう。
靴を脱いで畳の空間を歩きながら、美濃焼のさまざまな作家さんの作品を見て、触れることができます。
食器以外にも、置物や絵皿として飾って楽しむものまで多才な品々を鑑賞できます。
古い家具にディスプレイしている様子などが美しく、インテリアの参考になります。
奥には喫茶室もあり、好きな茶碗を選んでお抹茶と和菓子をいただく、そんな贅沢な時間を過ごすことも可能です。
■公式HP:http://oribe-minoyaki.com/
わずかな時間でも心満たされる、再訪を誓う旅
今回の多治見散策はわずか1時間半という駆け足でしたが、本町オリベストリートに点在する個性的なお店を効率よく巡ることができ、想像以上に充実した時間を過ごせました。
うつわ好きとしては、もっと一つひとつの作品をじっくりと見て、お店の方と話をしてみたかったという心残りもあります。
しかし、その名残惜しさが、また多治見を訪れたいという強い気持ちを掻き立てます。
次回は、春と秋に開催される「たじみ陶器まつり」に合わせて再訪し、美術館や他の観光スポットもゆっくりと巡ってみたいものです。
名古屋からのアクセスも良く、気軽に訪れることができる多治見。
うつわだけでなく、歴史やアート、そして新しい文化が息づくこの街は、何度訪れても新しい魅力に出会えることでしょう。陶磁器の街として有名な常滑や瀬戸と合わせて巡る旅も、きっと楽しいはず。
次に多治見を訪れる日を楽しみに、今回の旅の思い出を胸に刻んでおきたいと思いました。
うつわ好きや旅好きの皆さんも、次回の旅行の候補に「多治見」を検討してみてはいかがでしょうか。

