【小石原焼・やまさん柳瀬窯元】伝統をモダンに昇華・暮らしに息づく小石原焼が生まれる理由を深掘りします!

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350年の歴史とモダンが響き合う:小石原焼「やまさん柳瀬窯元」の世界

福岡県東峰村の小石原で、約350年という長い歴史と伝統を受け継ぎ、窯の火を守り続けている「やまさん柳瀬窯元」。


筑前小石原焼の本窯十統の一つとして、この地のやきもの文化を支えてきた柳瀬窯元。
初代の柳瀬三右衛門が、大分県日田市の小鹿田焼(おんたやき)へ小石原焼の技術を伝えたという重要な役割を果たしてきました。

現在、その栄誉ある歴史を守り支えているのは、17代目の柳瀬眞一さんと女将の千代美さんです。
彼らが目指すのは、「小石原焼の伝統的な技を生かしながら、現代を生きる今を表現した作品作り」です。

この記事では、伝統技法を受け継ぎつつ、今のライフスタイルに溶け込むモダンなうつわを生み出す「やまさん柳瀬窯元」のものづくりについてお伝えします。

伝統技法と現代様式の「ハイブリッド」

小石原焼の最も大きな魅力は、その素朴な土味と、独特な装飾技法にあります。
柳瀬窯元は、この伝統を深く尊重し、作品づくりに活かしています。

柳瀬窯元の器には、小石原焼の特徴である、化粧土の上を刃先で削りながら連続した紋様を描く「飛び鉋(とびかんな)」や、釉薬を掛け流す「打掛(うちかけ)」のほか、櫛状の道具で模様を描く「くし目」や「刷毛目」といった伝統的な技法がふんだんに用いられています。

これらの技法を守りながら作られるベーシックな器は、まさに暮らしにやすらぎと潤いをもたらす上質の民陶です。

刷毛目のリム付平皿:テーブルライフオンラインストア

しかし、柳瀬窯元の真骨頂は、伝統に安住しない「現代様式との融合」にあります。
伝統的な手法をベースにしながらも、呉須(ごす)を使ったモダンなデザインや、独自の色付け、絵付けを実践しています。

この「伝統」と「現代」が溶け合った作品づくりによって生まれる器は、小石原焼らしい優しい温もりを持ちながら、同時にモダンな雰囲気を兼ね備えています。

その結果、さまざまなライフスタイルに調和し、日常の食卓にスーッとなじむ「お気に入り」として、多くの人々に愛される器となっています。

歴史が息づく窯元の情景

やまさん柳瀬窯元は、国道沿いにある道の駅前の脇道から入った奥深い場所にあります。
少し傾斜のある石畳の小道を行くと、昔ながらの白壁の茅葺き屋根の建物が姿を現します。
この風景自体が、350年の歴史を感じさせる、趣深い情景です。

この歴史的な建物のすぐ隣には、東大寺長老・清水公照先生の作品を集めた私設美術館があり、窯元が受け継ぐ文化的な背景の深さを物語っています。

柳瀬窯元の店内には、独自の色付け、絵付けが施された商品が数多く並び、テンションが上がります。

定番の茶碗や湯呑み、お皿の他に、マグカップやビアカップ、そしてオリジナリティ溢れる小さな花瓶の一輪挿しまで、日常のさまざまな場面で使える器が並び、選ぶ時間も楽しいです。

店内の囲炉裏の様子

店内の奥には、昔ながらの囲炉裏が設けられた空間があります。
ここでは、お茶を飲みながら、柳瀬窯元の奥様との楽しい会話を楽しむことができ、単に器を選ぶだけでなく、窯元の温かい雰囲気や人との交流を通じて、小石原焼の魅力をより深く感じることができます。

日常を豊かに彩る「民陶」の力

引用画像:公式Instagram

柳瀬窯元が手がける小石原焼は、日々の暮らしにやすらぎと潤いをもたらす「上質の民陶」です。

彼らは、小石原の伝統的な手法を土台としながら、現代の多様なニーズに応えるために、たゆまぬ探究を続けています。
伝統的な飛び鉋や刷毛目を活かした作品は、使うほどに愛着が増し、日々の暮らしに静かな安らぎをもたらしてくれます。
そして、伝統と現代様式が溶け合った作品は、さまざまなライフスタイルに調和し、長く愛され続けることでしょう。

近年は、東京都内でも小石原焼を扱う食器店や雑貨店が増えています。
どれ1つとして同じ仕上がりのない手仕事のぬくもりと、モダンな柄とのコントラストが、今の時代には、新鮮に見えるのかもしれません。

引用画像:公式Instagram

まだ、小石原焼を使ったことがない方は、ぜひやまさん柳瀬窯のうつわで食事をしてみてください。
厚みがあり丈夫で口当たりも良く、とても使いやすいのです。

また、刷毛目はレースのように、飛び鉋はドットのようにも見え、洋食器と合わせて洋食に使うこともできます。
いつもの食卓に、伝統的で新しさもある小石原焼を取り入れてみませんか。

【やまさん柳瀬窯について】
所在地:福岡県朝倉郡東峰村大字小石原790
営業時間:9:00~17:00
定休日:木曜日
公式HP:https://yanasekamamoto.com/


≪柳瀬眞一さん 陶歴≫
昭和48年 佐賀県立有田工業窯業科卒業
昭和52年 九州産業大学芸術学部卒業 日本民芸展入選以後連続入選
昭和54年 九州山口陶磁展入選 以後連続入選
西部工芸展入選以後連続入選 県展入選 以後連続入選
昭和56年 第1回西日本陶芸展入選 以後連続入選
昭和57年 県伝統的工芸品展県知事賞
昭和59年 日本民芸展労働大臣賞
昭和62年 小石原焼伝統工芸品展県知事賞
平成元年 西日本陶芸展福岡県知事賞
平成3年 日本民芸展II特別賞
平成5年 日本民芸展入選
平成7年 西日本陶芸展大賞 県展美術協会賞
平成8年 日本伝統工芸展入選
平成11年 日本民芸公募展内閣総理大臣賞
平成15年 伝統工芸士の認定
平成16年 福岡県美術展審査員
平成18年 日本民芸展 経済大臣賞
現 在
福岡県美術協会正会員 福岡県陶芸作家協会会員
日本工芸会準会員

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