【つくりて紹介】「省三窯」土の温もりを暮らしへ―丹波焼が紡ぐ、八百年の伝統と今

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土の温もり、暮らしに寄り添う – 丹波焼 省三窯が紡ぐ、八百年の伝統と今

日本六古窯の一つに数えられ、八百年以上の歴史を誇る丹波焼。

その発祥の地である丹波立杭の北の地に、伝統を踏まえながらも、現代の暮らしに溶け込む温かい器を作り続ける窯元があります。
それが、三代目・市野秀作さんが営む「省三窯」です。

引用画像:公式HP

省三窯の器には、丹波焼の素朴で力強い風合いの中に、使い手の日常をそっと豊かにしてくれる、温かなぬくもりが宿っています。

この記事では、市野秀作さんに伺った、「省三窯」のものづくりへの思いやこだわりを詳しくお伝えします!

八百年の歴史を受け継ぐ若き三代目


省三窯は、秀作さんのお父様である市野元和さんから受け継がれた窯元です。
秀作さんは、その重厚な歴史と伝統を背負いながらも、新しい感覚で現代のライフスタイルにマッチした器作りを心がけています。

丹波焼の魅力は、土そのものの素朴な風合いと、窯の中で生まれる自然な景色にあります。

省三窯では、壺や花入れ、茶碗といった伝統的な作品から、毎日の食卓で使うマグカップやお皿まで、一つひとつ丁寧に手作りされています。
その作品たちは、どれも飽きのこないシンプルな美しさを持ちながら、手に取った時に感じる土の温もりが、使い手に安らぎを与えてくれます。

ギャラリーは、高台に位置しており、四季折々の美しい自然に囲まれた、まさに風光明媚な場所にあります。
都会の喧騒から離れ、静かな自然の中で、ゆったりと作品と向き合う時間は、訪れる人々にとって特別なひとときとなるでしょう。

おつまみ料理と晩酌から生まれる「使いやすさ」

市野秀作さんのInstagramより

作家の市野秀作さんの器づくりの根底には、彼自身の生活が深く関わっています。
秀作さんのご趣味は、おつまみ料理なのだとか。
普段は奥様が料理を作ってくれるそうですが、週に1〜2度はご自身で腕を振るうそうです。

市野秀作さんのInstagramより

「作ると言っても、焼いたりするだけなんですけど…」と謙遜しながらも、この日は地元の旬のしいたけをシンプルに焼いて見せてくださいました。
グリルで焼き鳥を焼くこともあるそうです。
そうして出来上がったおつまみを、ご自身の作った器に盛り付け、毎晩晩酌を楽しむのが至福の時間だと言います。

ビール、日本酒、焼酎が好きだという秀作さん。
出張先でも一人で飲みに行くほど、お酒と、それに合わせるおつまみ、そして器を愛していることが伝わってきます。

この、何気ない日常の体験こそが、省三窯の器が持つ「使いやすさ」に繋がっているのです。
料理を盛る人の気持ち、食べる人の気持ちを熟知しているからこそ、どんな料理にも自然と馴染み、料理をより一層美味しく見せてくれる器が生まれるのです。

「景色」を楽しむ、丹波焼の魅力

日本伝統工芸展での展示の様子・作品の幅広さに驚かされます!(市野秀作さんInstagramより)

丹波焼の器は、使い込むほどに味わいを増していきます。窯の中で生まれる自然な「景色」は、同じものが二つとしてありません。
それは、土の成分、釉薬の配合、そして窯の炎の動きによって偶然に生まれる、一期一会の美しさです。

料理を盛り付け、飲み物を注ぎ、日々の暮らしの中で器は少しずつ表情を変えていきます。
その経年変化を楽しみながら、自分だけの器を育てていく。これこそが、丹波焼が持つ奥深い魅力の一つです。

省三窯の器は、伝統的な手法を守りながらも、現代の食卓に合うような、シンプルで洗練されたデザインが特徴です。
和食はもちろん、洋食にも、どんな料理にも違和感なく溶け込み、私たちの暮らしを豊かに彩ってくれます。

土の温かみを感じながらも、スタイリッシュなうつわ:市野秀作さんInstagramより


丹波焼の伝統を継承し、さらに新しい感性で進化させていく三代目、市野秀作さん。
彼の温かい人柄と、日々の暮らしの中から生まれる器への深い愛情が、省三窯の作品たちに温かなぬくもりを与えています。

皆さんもぜひ1度、風光明媚な地にある「省三窯」ギャラリーに足を運んでみてください。
都会の喧騒から離れ、丹波立杭の自然の中で、ゆっくりと流れる時間の中で、省三窯の器に触れてみませんか。
きっと、あなたの心に響く、特別な一枚が見つかるはずです。

省三窯・市野秀作さんについて
1986年 兵庫県篠山市今田町生まれ
2010年 京都府立陶工高等技術専門校卒業
2015年 第32回田部美術館「茶の湯の造形展」優秀賞
第5回神戸ビエンナーレ「現代陶芸コンペティション」大賞
第62回日本伝統工芸展 入選(以後7回)
2017年 第46回日本伝統工芸近畿展 日本工芸会近畿支部長賞
2021年 第38回田部美術館「茶の湯の造形展」秀美賞
2022年 第51回日本伝統工芸近畿展 近畿賞
2023年 現在形の陶芸 萩大賞展VI  佳作賞
2024年 備前現代陶芸ビエンナーレ 入選
     日本工芸会正会員

省三窯公式HP:https://shozogama.com/
ギャラリー・工房所在地:兵庫県篠山市上立杭2-2

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