渋谷ヒカリエ「47えんぎもの展」鑑賞レポート:全国の名産や慣習・伝統工芸を気軽に学べるイベントでした!

今回は、渋谷駅直結の渋谷ヒカリエ8階で開催中の「47えんぎもの展」についてレポートします。

「縁起物」と聞くと、だるまやお正月のしめ飾りなどはすぐに思い浮かびますが、正直なところ「各県にどんなものがあるのか」まではよく知りませんでした。

しかし、うつわ好きとしては気になる「信楽焼のタヌキ」なども展示されていると聞き、先日足を運んでみました。
そこで意外だったのは、今の暮らしに使えるようなアートのようなデザインの物も多く、雑貨屋さんを訪れたような感覚で楽しめたこと。

この記事では、私がイベントで感じたことを詳しく紹介。
伝統工芸や郷土玩具に関心がある方など、気になった方は訪れてみて下さいね!

イベント概要
イベント名: 47えんぎもの展 —47都道府県の「願い、祈り、信じる」から生まれた縁起物—
会期: 2025年11月14日(金)〜 2026年3月15日(日)
時間: 12:00~20:00 (最終入館 19:30)
場所: d47 MUSEUM(渋谷ヒカリエ8F)
料金: ドネーション形式(会場受付にて、活動を継続するための寄付をお願いしています)
公式URL: https://www.d-department.com/item/47ENGIMONO.html

目次

赤べこも縁起物だった!「えんぎもの展」で分かったこととは?

会場に入ってまず驚いたのは、そのバリエーションの豊かさ。
誰もが知る「赤べこ」が実は縁起物であることを再発見したり、初めて見るユニークな造形に目を奪われたり。
そこには、その土地ならではの文化や歴史が色濃く反映された、奥深い世界が広がっていました。

1. 縁起物の色や柄にこめられた意味を知る

展示を見ていくと、今までなんとなく「おめでたいもの」だと思っていたデザインに、すべて納得の意味があることが分かります。

たとえば、群馬県の「高崎のだるま」。
よく観察してみると、眉毛が「鶴」、口ひげが「亀」の形に描かれているのです。
「七転び八起き」の不屈の精神に、長寿のシンボルまで詰め込まれた、まさに縁起物だと実感。

また、だるまが「赤い」のも、ちゃんと理由があることを初めて知りました。
明治時代、横浜開港により、鮮やかな赤い染料が輸入されたことで、赤いだるまが多く作られるようになったそう。

ちなみに、福島県の郷土玩具である「赤べこ」の赤は、魔除けの意味があります。
子供の健康や幸運を願う縁起物であり、可愛らしい郷土玩具以外の側面を知りました。

2. 全国の伝統工芸を一度に知る

会場を回ることで、全国各地の名産や工芸品を一度に知ることができ、民芸品店を訪れたような満足感があります。

例えば、愛知県のブースには、「瀬戸物の招き猫」が展示。
明治時代から陶磁器の人形作りを得意としていた瀬戸は、招き猫の一大産地。
京都の伏見稲荷をルーツとする「狐顔」の表情は、瀬戸焼ならではの特徴です。

また、特に私が気になったのは、長野県の「水引のフラワーベース」。
飯田市はもともと和紙作りが盛んで、藩の政策として髪を結う「元結(もとゆい)」作りを推奨したことから水引の文化が発展したそう。

「人と人を結ぶ」という伝統的な意味はそのままに、おしゃれな一輪挿しへと進化している姿に、工芸品が次世代に受け継がれていく可能性を感じました。

3. 全国の慣習や名産を知る

縁起物は、その土地の慣習や歴史を表しています。
また、食べ物を展示している県もあり、名産品も知ることができました。

秋田県の「お杉わらべ」は、子供の成長を願うお人形。
神木とされる杉を使うことで魔除けの意味もあり、「杉のようにすくすくと育ってほしい」という親心が詰まっています。

秋田は伝統工芸品の「曲げわっぱ」で知られるように、杉の産地でもあります。
縁起物を通じて、秋田が杉の産地であることを再認識するなど、各地の名産をおさらいできました。

また、奈良県のブースで紹介されていたのは、柿の加工品。
柿は語呂合わせで「嘉喜(かき)」や「嘉来(かき)」と書くことができ、どちらも「福が来る」というおめでたい意味があるのだそう。

「福をかき集める」「福をかき取る」といった言葉遊びもあり、古くからとても縁起の良い果実として大切にされてきました。

さらに、柿の実を収穫する際にわざと1〜数個だけ残しておく「木守柿(きもりがき)」という風習も初めて知りました。
来年の豊作を願うとともに、鳥たちのためのエサとしても残しておくという、自然への感謝と優しさが込められた風習。
名産品を通じて知ることができたのは良かったです。

4.今の時代にアップデートした縁起物を知る

私が商品としていいなと感じたのが、山口県のブースに展示されていた「大漁旗のトートバッグ」。

大漁旗は、鯛や富士山などおめでたい柄のオンパレードで、繁栄の象徴として商売繁盛や人生の節目に飾られるもの。
このバッグは、製作工程で出てしまう「染め損じ」の生地を使用したエコな商品とのこと。

伝統的な技術や柄を大切にしながら、今の私たちの生活に馴染む「日用品」としてアップデートする。
こうした取り組みが、地方の慣習や伝統工芸を未来に残していくための、有効な方法ではないでしょうか。
今の時代のテキスタイルとは違う、大胆な柄のバックは、持っているだけで注目されそう。
その裏に隠されたストーリーとともに愛用したくなりますね。

縁起物って奥が深い!日本全国の歴史や伝統をコンパクトに学べるイベントでした

会場併設のショップ。お土産屋さんのよう!

鑑賞を終えて会場を出ると、すぐ隣には全国の手仕事の品々が購入できるショップが併設されています。

「伝統工芸」と聞くと少しハードルが高く感じるかもしれませんが、この「47えんぎもの展」は、お買い物や食事のついでにふらっと立ち寄れる、とてもカジュアルなイベントです。

「この顔、なんだか自分に似てるな」「この柄、部屋に置いたら元気が出そう」――そんな直感で、自分だけのお気に入りを見つけてみてください。

このイベントを通して、多くの方が日本の名産や伝統工芸の面白さに気づき、その魅力に触れて欲しいと思います。

渋谷へのお出かけのついでに、ちょっとエレベーターを上がってみませんか?
古くて新しい、日本の美しい手仕事に出会えますよ!

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